水辺の時間

カヤックフィッシングを始めるにあたっての問題点  

カヤックフィッシング(以下KF)を始めるにあたってクリアしなければならない問題。

多くの遊び(趣味)を始めるにあたり、「お金」の問題はついて回るので、ここでは問題として考えないこととします。

また、基本的に車が無ければ成り立たないとし、自家用車を所有していることを前提に考えてみました。
組み立て式のファルトボートならば、電車などの公共交通機関での移動も可能だが、自分が考えているKFはシットオントップ艇でのもの。
自分のKFは車使用が前提となる



①カヤックの保管場所・方法
一番の問題である。
実際、カヤックに興味を持っている人からされる質問No.1。
自分のような、マンションなどの共同住宅住まいの人にとって、まず立ちはだかる壁で、逆に、この問題をクリアさえ出来れば、KFへの道は一気に近付くと言っても良いと思う。
カヤックを下して保管できるスペースに恵まれている場合は、その時点で一番大きな問題をクリアしていると言える。
とても羨ましく思う。


考えたのは、カヤックを使わない時のこと。
タイミングが合ったとしても、一年に二桁の回数程度しか出艇出来ないであろうという頻度で、それ以外の約300日以上。
他の用事で車を出す時(カヤックが不要な時)に約4m、30kg近くもあるカヤックを下して保管する場所があるか。
自分には無い。

ということは、一年中、カートップした状態になる。
色々と知恵を絞り、自分の場合は短時間であれば、下して置いておくことも出来なくはない。

しかし、カートップの状態で気になったことは、防犯(盗難・悪戯)と艇の劣化。
あんな大きなもの、と思っても、実際に盗難の事例はあるのだ。


艇の劣化について。
幸い、現在自分が借りている駐車場は屋根があるので、紫外線の直射は避けられる。
青空駐車の場合は、ブルーシートで包んでいる人もいるようだし、カヤック専用の紫外線防止ケース?もあるようだ。
一方で、青空駐車でカートップすること4~5年では劣化は見られないという声もあった。
常にタイダウンベルトで締め付けられていることでの艇のストレス。これは割り切るしかない。

防犯面も、盗難と悪戯を分けて考えると、悪戯は防ぐのが難しい。
これは双方向リモコンのカーセキュリティシステムなどで(ある程度は)抑止できるかもしれない。

盗難防止については、駐車場の立地や地域柄で状況が変わるが、自分の場合はキャリアのキーロックに加えて、ベルトを二カ所という必要最低限。

加えて、ワイヤーロープを艇のスカッパーホールに通してキャリアと繋げる。
このワイヤーロープは移動の時も外さない。
タイダウンベルトの緩みやキャリアのガタつきは運転前に点検しているが、万が一走行中に艇が脱落して他者に被害が及ぶことだけは絶対に避けなければ。
毎日、点検としてカヤックを揺すってみて異常が無いか確認するとともに、車の始動前点検としてベルトの締め具合及びキャリアの緩みを確認している。

盗難と悪戯の両方を抑止する手段としては、カヤック積載時の高さが制限以内なら、機械式の立体駐車場を借りるというのも手だと思う。

有料の艇庫に預けるという手段もあるが、自分はいろんな場所から出艇したいし、フィールドを縛られたくないので除外した。保管料が発生するのもツラい。

当初は、艇が分割式になっているカヤックも検討したが、レジャー色が強いのかフィッシングカヤックとしての情報が少ないことと、分割したとしてもそれぞれが160~170cm(×3個)であり、車内収納や屋内保管が困難と考えた。
結局、カートップすることになるのなら、分割式のメリットは自分には感じられなかった。


②気付かなそうで増える負担
地味ではあるが、燃費の低下が表れる。
たかがドアミラーや空のキャリアだけでも空気抵抗になるのだから、カヤックの長さと重量が載れば言うまでもない。

自分の場合は高速メインで走った場合は約12km/lなので、同様に高速メインだとしても9km/l台には下がる覚悟はしていた。
【追記】ルーフにカヤックが鎮座して半年余り経ち、本来あるべきでないものを載せているという意識が高まるとともに、一番起こってはいけないカヤックの脱落に注意を払うことが日常化した。
そのおかげか、車の運転は常に穏やかになり、燃費も向上した。
結果、カヤックを載せる前と変わらない数字となり、落ち着いている。
これは燃料消費を測れるレーダー探知機に替えたことで、リアルタイムのガソリン消費量を眼で見れることが貢献していると思う。
カヤックを載せる前と燃料消費が変わらなかったことで、逆に、今までなんとガソリンを無駄に使っていたのかと反省...


③出挺場所
KFアングラーが急増している関東圏に限らず、増加傾向にあるKF人口。
同じ趣味を持つ仲間が増えるのは喜ばしいこと。
しかし、人口が増えれば必ず直面するであろう「マナー問題」。
この辺を自覚してか、多くのKFブロガーは釣れた場所や出艇場所の詳細を伏せている。

初めに金額が掛かる遊び故か、ある程度年齢のいった人が多く、「KFは後発である」という意識は全般に感じられる。
費用の面で間口が広くないことが、マナーの意識共有に貢献していると感じる。

安易に人のポイントを聞くよりも、自分で探したポイントで釣る。
家でGoogle mapなどを参考にして、実際に現地を走ってみる。
駐車場や出艇場所を探す。
他人がお膳立てしてくれるよりも遥かに楽しいはずです。


自分自身はKFに限らず、チームやクラブへの所属はあまり考えてはいない。
趣味を友達作りのツールだとは思っていないが、気の合う仲間や友人となら交流していきたいと思っている。
なんて偉そうなことを言ってみても、一人より二人、二人より三人の方が間違いなく安全(というか、危険を回避出来る)。

最初は一人でも、同じ趣味を持つ人と出逢い、輪が出来てゆくのだろう。そうありたい。


④事故回避
免許制ではないカヤック操船。
しかし、一方で免許制の船が往来しているフィールドに入っていく以上、「知らなかった」では済まないこともある。

陸っぱりでのライフジャケット着用の意義と同様に、自分自身の身を守り、家族に心配を掛けないことも大事だが、事故に遭って(事故を起こして)釣り禁止になれば多大な迷惑を掛けることになる。
また、場所(地方)によっては、優先されるローカルルールがある場合も。
自分の身を守ることはフィールドを守ること。
最低でも海技免状のなんたるかくらいは、やはり知っておくべきなのだろうな。

PFD(ライフジャケット)などについては、必須装備なのでここでは触れません。


⑤嫁さんの安全・快適さ
自分は、嫁さんとのタンデムでしか出艇しないだろうと考えている。
KFアングラーが急増しているとはいえ、女性はまだ少ない。
うちの嫁さんはアウトドアが好きだし、海・川の釣りは一緒にやっている。
が、心配なのはトイレ。
男性をメインに考えている冬用ドライスーツなど、一見便利そうなおしっこチャックも女性には役に立たない。
用がある時は陸まで戻ることになる。

また、うちの嫁さんは泳ぎが達者な方ではない(汗)
いくらPFDを着用していると言え、落水した時の恐怖やパニックは不安なので、落水・再乗艇の練習は水が暖かい季節に行う。
これも経験である程度の心配は緩和出来ると思っている。

【追記】最近はソロ艇のバイキングカヤック 忍-SHINOBI-を導入したので、当初のタンデム艇(バイキングカヤック nemo2+1)は自分がソロで使い、嫁さんが忍-SHINOBI-に乗っている。
海上でいつも近くにいることばかりではないので小電力トランシーバーを使って交信している。


再上艇の練習を6月に行った。
エキスパートの方に指導してもらっての練習だったが、6月でも泳ぐには冷たい水温で、思うように出来なかった。
反面、練習しておいて良かったと強く思った。
釣りの後で、道具を下してからの練習になるので億劫になりがちだが、一度落水してみればこっちのもの。
水が温む時期にまた練習する。
沈しないことを前提にしているが、いざ落水した時に初めてなのかどうかで心構えが変わるはず。


⑥地元の人達とのトラブル回避
始めてしばらくの間は漁港周りは避けてみた。
出艇しやすい場所ということで砂浜を選んだが、ちょうど夏だったこともあり、海水浴場から離れた遊泳禁止エリア。
ここから出艇することで、他の砂浜利用者から情報を聞く。
ツーリングカヤックの人、SUPの人、レンタルボートの人、ウィンドサーフィンの人。
皆さん好意的なのは、無用のトラブルが原因でこの場所を失いたくないからもあると思う。

その後数か所で出艇したが、自戒も含めて注意すべきこと。
・違法駐車をしない。
・朝早く出艇するときは近隣の民家に配慮して声に注意。
・ゴミを捨てない。拾うくらいのつもりで。
・漁港のスロープは使わない。
 ごく一部の例外を除き、漁港施設(トイレなどは除く)は使用できないと思った方が間違いない。
・率先して挨拶する。
・「ここはだめ」と言われたら移動。
・ローカルルールがあるかの確認。
・遊ばせてもらった感謝の気持ちがあるなら、少しでもいい、地元にお金を落とす(使う)。
書いてみると、KFに限ったことではない、ごくごく当たり前のことだなあ...



「ここではお金のことは問題にしない」と書いたが、参考までに。
上記の事柄をクリアした上で、自分の場合は他の釣りや遊びから使い回せるものを使ったとしても、スタートするにあたって掛かるおおよその金額。

タンデム艇の場合
・艇
・パドル×2(バイキングカヤックの場合は付属)
・シート
・PFD×2
・キャリア
・タイダウンベルト×2
・リーシュコード×2
・ワイヤーロープ×4
・ドーリー(カヤックカート)

以上でおおよそ20万円程。

後々、各種艤装や魚探装備、11月頃~5月頃の間もカヤックを楽しみたい場合はドライスーツを揃える必要がある。
※ドライスーツは各社とも、1シーズン分を一度だけ、少量製造している場合が多いです。
  夏の終わりには購入しておかないと、秋風が吹く頃には欠品してしまい、次回入荷は来年夏頃となる場合が多いようです。



自身の覚え書きの意味でも書き綴ってみました。
有料ですが試乗会を行っているショップもあるので、是非参加してみて欲しいと思います。


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